宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 完結!肯定派からの一感想
ヤマト2202第7章が3月28日、そのテレビシリーズが29日(30日)深夜で完結を迎えました。
名作「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」のリメイク(オリジナルとはかなり違うので再構築という方が適切かも…)とあって、賛否両論、話題となってましたね。
自分にとってヤマトは、心の一部のような存在で、この「ヤマト2202」に関しては、感想を残しておきたいと、第1章から思い続けてはや2年…
結局、最後まで観ないと何とも言えない作品でした。
率直な感想です。
※ネタバレ全開でいきますのでご了承の程…
「こんなヤマトが観られるなんて!ヤマトファンで良かった…。」
自分は7章を映画で観ましたが、(田舎なのでテレビ版見れませーん。田舎にも愛をください。)劇中で金色に輝くヤマト、真田さんの演説、あの世に留まる古代と雪を迎えにいくヤマト…その辺りのシーンを観てる間、涙腺崩壊(じわっとしただけっす。…いや、ちと流れ出たかな?人前では絶対泣かんもん…)しつつ、ふとそんな言葉が浮かびました。
観終わった後、製作スタッフの皆さんに感謝の気持ちが自然と溢れてくる…何故かそんな作品でした。(何故こうも多数派と感じ方が真逆になってしまうのだろう…)
「宇宙戦艦ヤマト2202」の真髄は最終話!
という事で、ここからは具体的な感想を書き連ねていきます。
※タイトルどおり肯定派なので、否定派の方には面白くない感想になると思いますので、ご了承の程。
テレビ版最終話にあたる後日談は、ネット上の感想では「蛇足」「意味不明」「エヴァみたい」「オカルト」「ファンタジー」「特攻エンドなら良かった」と否定派意見が幅を利かせてますが…(というか、「2202」自体ボロカスに批判されてますが…)
あえて言おう!
この最終話こそ「2202」のキモです。この最終話が無く、旧作「さらば」よろしく「特攻エンド」だったら、「2202」は駄作評価してたと思います。自分は…(へそ曲がりなので、「特攻エンドなら良かった」の多数派評価とは真逆ですが)
演出、説明不足に関しての評価が芳しくないのは、自分も思うところはありますが、このエンディングへ向けての全体的な物語構成は見事でした。シリーズ構成のブンゴー(福井晴敏)さん、やっぱ凄えなと素直に評価してます。
ぶっちゃけ演出の破綻、説明不足、ご都合展開はヤマトの十八番。そんな細かい事はヤマトはどうでもいいんです(笑)ってか、突っ込みつつ「大いなる愛」で作品に込められた想いを「感じ取る」のがヤマトを楽しむコツですからねー。(自分ほど上級者?になると、破綻部は脳内補完で整合してますし。それがまた楽しみでもある。)
重要なのは、「宇宙戦艦ヤマト」というのは、時代の空気を作品に取り入れ、「日本」「日本人」を見つめ直す作品であり、その使命を担うかどうか、というところにあります。
少なくも旧作の無印、さらば&2(3もかな?)にはそういう要素がありました。自分が「ヤマト」を評価するとしたら、そういうテーマが作品の中で語られるかどうか、というところだったんだなと、「2202」を見ながら今更ながら気付いたのですが、最終話の国民投票のくだりなんかは、本当に今の日本人ならどっちを選択するんだろう…とか考えさせられました。(現実は時間断層が選ばれそうだけど…)
最近のアニメは、そんなに見ていないので、もしかしたら見当違いかもしれませんが、アニメは現実世界から離れ、いっ時の娯楽として次々と消費していくもの…という傾向が過去のアニメに比べるとより強まっているように思われます。まぁ、そういう方が売れますからね。
けどやっぱり「ヤマト」はそれじゃいかんのです。大人の鑑賞に耐えうるアニメの可能性を切り拓いてきたのが、他ならぬ「ヤマト」なのだから。
後からブンゴーさんのインタビュー記事などを読むと、そこをきちんと踏まえて物語を構築されていた事がわかり、ヤマトのツボをよくわかっているなぁと改めて感心したものです。
ブンゴーさんは、よくヤマトと対立視されるガンダムに深く関わっているので、ヤマトの事なんかあまりわからないか、適当な仕事されるか不安もありましたが(ただ、ガンダムUCは面白かったので期待もありましたが…)、そんじょそこらのヤマトファンより、よくわかってましたね。
作家さんの持つ洞察力、侮りがたし。(ドメル口調で…)
復活あってこそヤマト
もうちょっとエンディングの展開について、感想を残したいと思います。
おそらく元の「さらば」をリアルタイムで鑑賞した世代、また「さらば」がシリーズ最高傑作であり、その後のヤマトシリーズは駄作という方には、特攻して一度死んで、帰ってくるような展開は、まず持って認められないかもしれません。(そもそも「さらば」のリメイクなどあり得ん…のかもしれませんが…)
まぁ、『復活』もヤマトのお家芸。そもそも、ヤマト自体が戦艦大和が復活した艦。
第三艦橋だって生えてくるような艦だし…。
なので、今回の「2202」の「黄泉がえり」エンド。とても「ヤマト」らしいなと案外すんなりと受け入れられました。
「さらば」→「新たなる」のミッシングリンク?
「さらば」の公開された年に生まれ、ギリギリ記憶に残る初めてのヤマトは、両親に連れられ見に行った完結編、ヤマトが爆発して船体がへし折れるシーンと70mm版の衝撃的ラストで、ビミョーな空気の中、オトナの世界を垣間見た事くらい。
その後、ポツポツ、ビデオ化されたヤマトで徐々にヤマトのストーリーを知る様になり、だんだんとヤマトにハマっていったのですが、ビデオ化初期の頃は、「新たなる旅立ち」を含む劇場版のみ。
その頃「ヤマト2」の存在をまだ知らないうちに、「さらば」と「新たなる」を立て続けにに見ることになった訳です。
話の時系列的には、その順番であっているのは理解してたので、「新たなる」でボロボロのヤマトが帰ってくるシーンを見て、「さらば」で超巨大戦艦に突っ込んでヤマトが消滅??…したのかずっと疑問を抱えながら、「ヤマト2」を知る事になる小学3年生頃まで悶々としながらも、その繋がりを脳内補完していたのを覚えてます。
(多分、テレサが助けてくれたんだ、と無理矢理納得してたかと…)
※「さらば」も後の「永遠に」や「完結編」を知ってるので、突っ込むけど助かるんだよね~と、実はあまり「さらば」に感動体験が無いんですよね…。
今回、ヤマト特攻→帰還の流れは、自分にとって、ヤマト2を知らずにいた頃の「ミッシングリンク」が埋まったような展開で、個人的にはとても嬉しかったですね。
オカルト、それともSF?
エンディングの批判に「精神世界」系を持ち込んだ事に対するコメントもよく見かけますね。
ただ、古代と雪が「あの世」的な所に行って、それを救出するかどうかを国民投票の選択に委ねる…というシチュエーションは、量子力学で論じられる「シュレディンガーの猫」を彷彿とさせました。
国民投票が決するまでの間、古代と雪は、箱の中に入れられ、生きているか、死んでいるかその半々の状態。その生死は、国民投票という確率的条件によって決まる…みたいな。
テレサが古代に見せた多数の世界の可能性も、量子力学の多世界解釈が元ネタで、現在SFには定番のネタですよね。
人の生死、あの世といった話が出てくれば、宗教、オカルトと短絡的なレッテル貼りはどうなのでしょう。
旧作のヤマトだって死んだキャラだったり女神様が宇宙にでかでかと現れて、平然と会話してたりしますしね。
旧作、「第1作」「さらば」などでも死後の世界について語られ、人の存在は何か?という話は、ヤマトの根底にある深いテーマでもあります。ガンダムやエヴァでは、そうしたテーマがもっと前面に出て来るのですが、ヤマトは、セリフの中で語られたり、絵的な表現に留まるので、そこをこのエンディングのようにしっかり描いちゃうと、ガンダムやエヴァみたいだと言われちゃうかもしれませんが、ヤマトも昔からそっち系だったので、そういうテーマを感じ取っていた人には、あまり違和感はなかったのでは無いかと思います。(だいたい前作2199でも、霊魂はネタにしてる…。ヤマトの世界は霊に溢れているのです。)
ヤマトらしいヤマトとは?
善い悪いはともかく「ヤマト2202」は、旧作から来る「ヤマトらしさ」はふんだんに盛り込まれていたと感じています。ただ、その「ヤマトらしさ」自体、感じる点が人によりまるで違ってくるので、「2202」を受け入れられない往年のファン、また「2199」とも方向性が違ってしまい、結局、新旧ファン両サイドから叩かれてる感じですね。(「2199」は時代に合わせて、「ヤマトらしさ」をあえてオミットしている節が強い様に感じます。「2202」はその「らしさ」を拾った作品でもあるので「2199」からのファンにも受け入れがたいのも理解は出来ます)
往年の「さらば宇宙戦艦ヤマト」世代の熱狂を知らず、2199からの新規世代よりも旧作寄りの中途半端な自分には、ニュートラルな感覚で観れたのは、かえって幸運だったのかもしれません。
一番嬉しいのは、既に過去となっていた「ヤマト」をリアルタイムで体験出来るというのは、本当にありがたい事です。
自分の世代のヤマトファンは、本当に少ないので、あまり自分と同じ感覚の方は少ないかもしれません…(なので、ヤマトを語り合う友人は殆どいない…)
そんな自分から見ると、「ヤマト2202」への批判は、度を越している様に感じる節もあります。
批判はどんな作品にも付き物ですが、ヤマトの場合、その争いが白熱しすぎ、自分の好きな「俺のヤマト」以外認めないどころか、散々にディスるのは、同じヤマトファンとして悲しいですね。
ヤマト自体も「さらば」と「2」、いや、その前の第1作からして、幾つかの展開のある作品で、其々にコアなファン、好き嫌いが人それぞれにあります。まさに量子論の多世界解釈、パラレルワールドを地で行く艦。
今後も時代の空気を吸いながら、演劇作品などの様にその時代ならではの解釈を交えつつ、同じベースの話で何度も製作されたら、それはそれで面白いのではないでしょうか?
続編製作も決定した様ですし、これからのヤマトワールドの拡がりが楽しみです!
最後に「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の製作スタッフの皆様に感謝の意を…
『ありがとう。以上だ。』
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